伝承の部の修練方法
修練は座取り(座って行う)を基本とし、立ち技も行います。
基本的には錦戸先生のご指導方法を踏襲致します。
つまり、師範が技をかけ、それを生徒(弟子)がまねてかけてゆくという手順です。
ただ、昔ながらの指導方法をそのまま今の人たちにあてはめてしまうと、文化、生活様式、思想などの問題でなかなか上達するのは難しいです。
そのため、修練をするにあたって、目指すもの、技を修練する意味、そして前提を必要なタイミングでお話しします。
多くの道場ではこれらを説明することなく、もしくは不十分な説明で修練が進みます。
「どういった状況で、相手がどう出てくるから、それをこのようにさばく」という説明だけした状態で技の練習に入るところがほとんどではないでしょうか。
その指導方法が間違いとは言いません。昔からそれで掴める人間だけが達人になってゆきました。だから、達人は1世代に1人と言われたのです。
修練をする前提、修練の意味が分かっていない結果、技に慣れはするものの本当の意味での習熟度は上がらず、時には踊りのようになってしまいます。
自分の身体を感じ、自分の身体で感じ、自分で習得してゆくことを大切にしています(修練時はDon't think.Feel)。それには明確な理由があります。
そもそも言語化できないことが多い点。言語は独自の解釈が入ってしまう点。また、教えられることに慣れてしまうと、ある一定以上には成長できない点です。
もちろん、要点・理合は必要なタイミングで開示してゆきます。
古武術には歴代の達人が編み出した要訣が沢山あります。当然秘伝とされて来たもの、今現在も秘伝にされているものが存在しています。
修練は初伝(基本的な理合を習得)、中伝(要訣)、奥伝(秘伝奥儀の技、気の技、合気の技)、そして光の技へと進みます。その先の技(?)もあるようです。
奥伝からは免許皆伝者に授けられます。光の技については特別な伝授方法となります。
光の技については錦戸先生が得られた能力であるため、他の大東流合気柔術には存在しておらず、錦戸先生の門弟でも数人にしか伝えられていません。
修行に近道はないかもしれませんが、感じ、考え、少しずつでも前に進みましょう。